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名称 旧富岡製糸場・東置繭所(東繭倉庫) 所在地 群馬県富岡市
指定 国指定重要文化財、世界遺産暫定リストに登載 HP 訪問日 2007/08/01
 夏の東日本建築教育研究会計画分科会研修で見学しました。旧富岡製糸場は、明治5年(1872)明治政府が殖産興業政策に一環として創設したわが国最初の官営模範製糸工場です。フランス人ポール・ブリューナの指導のもと、当時横須賀製鉄所に所属したフランス人バスチャンが設計し、日本人技術者の手によって建設されました。構造形式は木骨煉瓦造で、柱や鋏梁が外壁に現しとなる真壁で、煉瓦と木の柱には十数ミリのチリがあります。こんなおさまりはじめてです。明治5年7月には繰糸所と東西の置繭所が落成し、同5年10月4日に開業しました。今回、開業当初から明治8年までに建設された、製糸場のシステムにかかる建造物が国指定重要文化財の対象となりました。明治26年には官営製糸場としての役割を終え、三井家に払い下げられ、明治35年には原合名会社の経営となり、昭和14年からは片倉工業株式会社の所有となりました。工場は昭和62年操業を停止しましたが、この間、一貫して日本を代表する製糸工場として利用され、操業を停止した後も、片倉工業の管理のもと、良好な状態で保存されてきました。平成17年7月14日には国指定史跡となり、同9月30日には、すべての建造物が片倉工業から富岡市に寄贈されました。

◇東置繭所(東繭倉庫)の説明
年代:明治5年
構造形式:木骨煉瓦造2階建、桟瓦葺、西面及び南面ベランダ附属
建築面積:1,493.07u
特徴:桁行104.4m、梁間12.3m、切妻屋根2階建、フランス積み煉瓦壁に1階には1段、2階は2段の窓をつける。小屋組は室内中央に棟木まで達する通し柱を組み込んだトラス状の構造になっている。また、正面北寄りには通路を設け、その上部に「明治五年」と刻んだキーストーンがはめ込まれている。

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